関西学院大学 文学部 西田 理哉
大学時代について
LGBTQの方との交流をメインに大学生活を送ってきました。
大学時代にLGBTQの方に関してフォーカスしているテレビ番組を見たときに、そのサポートをする人の一人がおっしゃっていた「自分だけでは操作できない問題だからこそ、我々がサポートすることで彼らの助けになりたい」という言葉に感銘を受け、自分も何かできないだろうか、と様々な活動に参加して交流をしていきました。
正直最初は「世の中に生きづらさを抱えている人なんて、それ以外にもたくさんいるのに」と思っていたのですが、それがいかに現実を知らない考え方だったのか、交流をする中で思い知らされます。
今でも忘れられない出来事があります。それは、ある当事者の方に「そんなに辛いならそのコミュニティだけでまとまって生きていったらどうですか」ということを口走ってしまった時に、「自分の周りの人に認められないことが辛いんです」と返されたことです。
自分がいかに、恵まれた立場の中で、自分の中の当たり前を前提としてものを考えていたのかとても恥ずかしくなりました。
僕は、その人たちの多くから、今の社会の課題や目線、そしてその人たちにしか知りえない痛みや苦しみを知ることが出来ました。
そんな人たちにとって、また自分がまだ知らない痛みや苦しみを持っている人たちを、自分が何か一つでも役にたつことは出来ないだろうかという思いから、仕事を考えるきっかけにもなりました。
就活スケジュール
1. 大学3年生の11月からインターンシップや説明会に参加
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2. 大学3年生の12月より選考スタート
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3. 大学4年に上がるときコロナの影響で選考がストップ
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4. 大学4年6月現在、最終選考を迎える
就活の軸
「ブランドビジネスを通じて社会課題を解決すること」
これが僕の就職活動の軸です。
その軸が作られたのは、やはりLGBTQの方々との交流の中で日々何が出来るのか思い悩んだ中で出てきた答えからでした。
僕はその人たちを助けたいのか。
いや、それよりも「何でこんなことになっているんだ」という見えない社会への憤りが大きく、隠れて生きていかなければいけない人たちがいるというこの社会構造への怒りが自分の中で溢れていることに気づきました。
そんな時、あるところでジェンダーレスのメンズコスメというものを目にしました。
肌の調子を整えるような基礎化粧品ではなく、オシャレのためのメイク道具としてのものです。
それを見たときに、「これだ」と思いました。
男性がメイクをする。それがオシャレとして当たり前の一つ、いやそこまでいかなくても例えばハットを被るように、ロングコートを着るように、オシャレの選択肢の一つになることが出来れば、メイクをしたい男性の後ろめたさや、隠れてメイクをする人が減らせるのではないか。
それは根本解決ではないことだと分かっています。それでも、一人ではきっとそもそも根本解決が無理な大きな課題に対して、誰か一人でも心が軽くなるためのことがしたいと思います。
ブランドビジネスという領域であれば、その人たちがスタンダードになりうる「ブランド」という武器が作れるのではないかと志しています。
将来どうなりたいか
長期的には、やはり自分のブランドの立ち上げをして、「一人でも多くの心の居場所」を作っていきたいと考えています。
ジェンダーレスというものに対して、なぜそこまで関心や想いがあるのかと問われることもありますが、やはり当事者の人たちが他人ではなくなったからだと思います。
もしかしたら、あの時見ていたテレビ番組が違うテーマを取り扱っていたら、それが自分の価値観を変えるものだったかもしれませんし、それは今となってはわかりません。
ただ、きっかけが何であっても僕にとっては人生の価値観を見つめなおすものであり、社会に対して憤りを持ち、変えたいと思えるものだったことは確かです。
また、僕だけで大きな問題を解決することは出来なくても、様々な解決策の一つであればいいと思いますし、それをきっかけにまた別の誰かがその問題や、また別の社会課題に関心を持ってくれるきっかけになったら嬉しいですし、もっと言えば、周りに人にちょっとやさしくなれるきっかけになれたら良いと思っています。
勿論、まだそんなことを成し遂げたいと言って信頼される実績は何もありません。
だからこそ、まずは社会に出て、一つ一つ信頼を得ていける人間になっていきたいと思います。結果を積み重ねて、信頼を得る。
そうやって得た信頼を、今度は解決したい課題のために使う。
あの時社会の目を怖がっていた人たちが、自信を持って外に出ていける、その日のために。