なぜ「就活の軸」は重要なのか？その理由や決める上でのポイントをご紹介
就職活動において、「就活の軸を持つことが大切である」という言葉を耳にする機会は非常に多いと思います。
しかし
「就活の軸とは何か」
「どのように決めればよいのか」
という疑問を抱く就活生も多いと思います。
何となく「社会貢献がしたい」「成長できる環境がよい」といった一般的な言葉で取り繕ってしまい、結果的にどの企業にも響かない自己PRや志望動機になってしまうということは、誰しも一度は経験することかもしれません。
そこで本記事では、そうした悩みを抱える就活生に向けて、「就活の軸」とは何かを詳しく解説したうえで、就活の軸を決める上で重要な点についてご紹介します。
「就活の軸」が決められず悩みを抱えている、どうすれば企業に響く内容になるのか分からないという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
就活の軸とは
就活の軸とは、企業選びや業界選びで重視する「自分なりの価値観や選ぶ上での条件」のことを指します。
これらを明確にすることで、自分が本当にやりたいこと（どのように活躍したいか）や求める働き方が見えてくるため、自分に合った企業を見つけることができ、かつ「他社ではなくこの会社を選んだ理由」を明確にすることができるでしょう。
また、就活の軸を決める上で、自己分析や適性検査を行うこと、さらにはセミナーやインターンシップなどの参加が欠かせません。就活を進めるなかで軌道修正を重ねながら、自分に合った軸を見つけていきましょう。
なぜ「就活の軸」が必要なのか
就職活動において「就活の軸」を持つ理由について、3つに分けてご説明します。
自分に合った企業を選ぶため
就活の軸を持っていることで、「自分は何を大切にして働きたいのか」「どのようなキャリアビジョンを描いているのか」などが明確になるため、自分に合った企業が分からないという状況に陥りにくいと考えられます。
さらに、企業選びのブレがなくなり、どの企業が自分に合っているのかという優先順位付けが正確にできるようになるため、入社してから選択に後悔するということがなくなるでしょう。
志望動機や自己PRに説得力を持たせられるため
就活では、エントリーシートや面接を通して、志望動機や強みを企業に伝える機会が数多く存在します。
ここで軸が定まっていないと、その場で思いついた言葉や抽象的な表現になってしまい、他の応募者との差別化ができず、かつ一貫性のないアピールになってしまうでしょう。
明確な軸があることで、「なぜその企業なのか」「どのように貢献できるのか」などといった問いに対して、説得力があり、かつオリジナリティのある説明が可能となり、志望理由や自己PRに一貫性と具体性をもたらすことができるでしょう。
想定外の質問にも対応するため
面接では、履歴書やESに書かれた内容だけでなく、予期せぬ質問（「あなたにとって働くとは何か」「10年後、どのような社会人になっていたいか」など）が投げかけられることも少なくありません。
この場合、軸が不明確な状態では、自分の価値観（人柄や考え方）を伝えることができず、かつ慌てて頭の中が真っ白になってしまい、一貫性のない答えになってしまう可能性があります。
一方で、自分なりの就活の軸があれば、どのような質問に対しても、その軸に基づいて落ち着いて回答することができ、自分を最大限にアピールすることができるでしょう。
企業が面接で「就活の軸」を質問する理由
企業が面接で「就活の軸」を質問する背景について、以下で詳しく掘り下げて説明します。
自社が求める人物像かどうかを知るため
企業が「就活の軸」を質問する理由の1つは、応募者が自社の価値観や理念、文化とどれだけ一致しているかを確認するためです。
スキルや経験が高い優秀な学生であっても、企業の風土と合わなければ、早期に離職するリスクが高くなる可能性などがあるため、その点を選考を通して見極めたいという思いがあるといえます。
応募者の軸が求める人物像や企業の目指す方向と一致していれば、長期的にお互いが協力し合い、共に成長できる可能性が高いと評価されるのです。
志望度の高さを測るため
その企業で「どれだけ活躍したいと思っているのか」という志望度の高さも、就活の軸を質問する理由の1つです。
就活の軸が明確であり、それが企業の風土や事業内容などと密接に結びついている場合、その応募者は企業に対する志望度が高いと判断されます。さらに、ミスマッチがなく、入社後の活躍が期待できる人材として評価されるでしょう。
説得力のあるアピールをするために、軸の内容が企業の事業内容などに繋がるものであるか、将来なりたい姿と重なるものであるかを踏まえ、志望度の高さをアピールできるかどうかを判断することが重要です。
「就活の軸」を決めるために
就活の軸を決める上で、以下の方法を用いることで、より本当の自分を見出すことができるでしょう。
自己分析や他己分析
自分自身の価値観や興味、得意なこと、苦手なこと、過去の経験から得た学びなどを深く掘り下げる自己分析は、就活の軸を見つけるためにまず行うべきことであるといえます。
また、友人や家族など、身近な人に自分の長所や短所、どのような時に喜びを感じているかなどを聞いてみる他己分析も、自分では気づかなかった一面を発見するきっかけになるでしょう。
エージェントサービスの活用
就職エージェントによる個別相談では、企業の紹介を行ってくれるだけでなく、就活の軸を明確にするための専門的なアドバイスや手厚いサポートも提供してくれます。
経験豊富なキャリアカウンセラーとの綿密な面談を通して、自分一人ではなかなか深掘りすることが難しい自己分析をさらに掘り下げたり、多岐にわたる業界や職種に関する最新の情報や、実際に働く人々の生の声を聞くことで、これまで意識していなかった新たな視点や価値観に気づくことができるかもしれません。
客観的な視点からの専門的なアドバイスを受けることは、自分らしく、納得のいく就活の軸を見つけるための強力な助けとなるでしょう。
インターンシップへの参加
実際に企業で働くという貴重な経験ができるインターンシップでは、仕事のリアルな側面や職場の雰囲気を肌で感じることができる絶好の機会です。
社員と同じように業務に取り組むことで、「どのような仕事内容に心からやりがいを感じるのか」「どのような組織文化や働き方の環境であれば自分の力を最大限に発揮できるのか」「どのような価値観を持つ人たちと共に働きたいのか」といった、具体的なイメージを鮮明に描くことができるでしょう。
それが、就活の軸を考える上で重要な材料になるといえます。
会社説明会への参加
企業の理念や事業内容、社風、実際に働く社員の方々の雰囲気などを知ることができる会社説明会は、企業理解を深めるための重要な第一歩です。
興味のある企業の説明会やオープンカンパニーなどに参加することで、就活の軸が見えてくる可能性があります。参加する際には、積極的に質問の機会を活用することで、企業のウェブサイトやパンフレットだけでは得られない、より深く、具体的な情報を収集するようにしましょう。
「就活の軸」を決める際に注意すべきこと
就活の軸を定めることは重要ですが、いくつかの注意点を踏まえておくことで、より実りある就職活動に繋げることができます。
ありきたりな就活の軸は避ける
多くの就活生が挙げるような、抽象的で一般的な軸は、面接官の印象に残りにくく、自分の個性を伝えることができません。
例えば、「人の役に立ちたい」という軸は、どの企業にも当てはまる軸であり、「どのように」といった部分も抜けており、マイナスの印象を与えてしまいます。
したがって、自身の価値観や経験に基づいた具体的なエピソードを交え、オリジナリティのある軸にすることが重要であり、かつ自分自身の言葉で語るようにしましょう。
就活の軸は定期的に見直す
就活の軸は一度決めたら変えないというというものではなく、常に見直すことが重要であるといえます。
実際に企業の話を聞いたり、インターンシップや面接などの経験を通して、考えが変わったり、揺らぐことはあるといえるため、もう一度見つめ直すタイミングであると捉え、就活の軸をアップデートするようにしましょう。
ただし、その際に選考している最中の企業がある場合は、回答の内容に矛盾が出る可能性があるため、今まで通りの就活軸を貫くようにしましょう。
まとめ
「就活の軸」は、自分自身の価値観や将来のビジョンを明確にし、企業選びにおける不可欠な要素となります。軸が明確であれば、数多ある企業の中から本当に自分に合った場所を見つけやすくなり、入社後のミスマッチによる後悔を防ぐことができます。
また、軸を定めることは、エントリーシートや面接での志望動機や自己PRに説得力と一貫性を持たせるためにも重要です。なぜ「この会社でなければならないのか」、そして「どのように貢献できるのか」を具体的に語るためには、明確な軸がなければならないといえるでしょう。
そのために、自己分析や他己分析、エージェントサービスの活用、インターンシップや会社説明会への参加を通じて、自分らしい「就活の軸」を見つけましょう。加えて、就活を進める中で、必要に応じて軸を見直し、アップデートしていくことで、後悔のない就活を実現できるはずです。
