【例文つき】就活で特技をアピールする方法|考え方のポイントも解説
就職活動の面接で問われる「特技」について、どのように回答すればよいか悩んでいませんか。
「自分には、自信を持って特技と言えるような特別なスキルはない」と感じていたり、
「面接官に評価されるポイントや、具体的な伝え方を知りたい」と考えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、面接官が特技を聞く理由から、特技が見つからない時の考え方のポイントまで、網羅的に解説します。
さらに、避けるべき特技の注意点や、参考にできる豊富な特技一覧も紹介し、すぐに使える5つの回答例文も掲載しているため、実践的な対策が可能です。
特技に関する不安を解消し、自信を持って面接官に自分らしさをアピールするために、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.特技は何をアピールするべき?趣味との違いも紹介
特技は「自分が得意だと思っていること」 「他人と比べてできていると思うもの」をアピールするのがポイントです。
また似ている項目に「趣味」がありますが、特技と趣味の違いは、下記のとおりです。
特技:他人より能力が突出しているものや自信があること
趣味:得意・不得意に関わらず、好きなことや熱中できること
特技には、基本的に正解はありません。そのため、純粋に自分が他人と比べて得意・自信があることをアピールしましょう。
2.就活で特技を聞かれる理由4選
就活の面接で特技を聞かれる主な理由は、下記の4つです。
- アイスブレイク
- 人柄を知りたい
- 社風に馴染めるかどうかを確認したい
- 論理的に話せるかどうかを確認したい
志望動機や自己PRと同様に、特技もきちんと面接対策をする必要があります。そのためには、企業が何をチェックしているかを理解するのが大切です。
1つずつ解説します。
1. アイスブレイク
特技に関する質問は、面接の際にアイスブレイクとして使われる場合が多いです。
面接官は、学生が面接で緊張していまうことは分かっているため、場の空気を和ませる目的で特技を聞きます。「志望動機などは上手く答えられるか自信がない」という人でも、特技は比較的話しやすいトピックであると言えるでしょう。
特に面接の冒頭で聞かれた場合は、アイスブレイクと考えられます。基本的に合否を左右する質問ではないため、リラックスして答えましょう。
2. 人柄を知りたい
特技は、その人の性格や人となりが出やすい項目です。そのため、就活生がどんな人なのか、何に興味を持っているのかを知るために特技を聞く場合があります。
特技は、基本的に合否を左右する質問ではありません。そのため企業に合わせて回答を作り込むのではなく、素直に自分の特技を伝えるのが大切です。
企業に寄せてしまうと、自分の本当の人柄や魅力が伝わりにくいと言えるでしょう。そして、もし企業に合わせて作り込んだ特技をアピールして採用された場合、入社後に苦労する可能性もあります。
入社後に苦労しないためにも、素直に特技をアピールするようにしましょう。
3. 社風に馴染めるかどうかを確認したい
特技の質問を通して、社風に合うかどうかもチェックしています。なぜなら、いくらスキルやポテンシャルが高くても、社風に馴染めずに早期離職してしまう可能性(ミスマッチ)があるからです。
例えば、志望企業の社風が、社内イベントや社員同士の交流が活発だとします。この場合、コミュニケーション力が高い人やフットワークが軽い人の方が、社風に馴染みやすいと考えられます。
企業側は、長く活躍してくれる人材を採用したいと考えているため、社風に合っている人かどうかを確認しているのです。
ただし、社風に合っていないことで不合格になる訳ではありません。人柄と同様に、企業に合わせるのではなく、自分の特技を素直にアピールしましょう。
4. 論理的に話せるかどうかを確認したい
「あなたの特技は何ですか?」という質問は、裏を返せば「あなたの特技について、誰にでも分かるように論理的に説明してください」という意図があります。
面接官は、このやり取りを通じてあなたのコミュニケーション能力や論理的思考力を見ています。
社会人になると、上司への報告や顧客へのプレゼンなど、常に「結論から先に述べ、理由や具体例を添えて分かりやすく話す」ことが求められます。そのため、特技という身近なテーマであるからこそ、論理的に説明する力が試されているのです。
そして、論理的に話すためにはPREP法(Point, Reason, Example, Point)が重要になります。まず結論(特技)を述べ、次にその理由、具体的なエピソードを話し、最後にもう一度結論で締めくくるという構成で話すことで、誰が聞いても分かりやすい説明になります。
PREP法については、後ほど詳しく紹介します。
面接で特技を聞かれたら?特技になるジャンルと失敗しない回答例5選
3.【特技が分からない人向け】考え方のポイント5選
特技を教えてくださいと聞かれても「どうやって見つけたらいいか分からない」という人もいるでしょう。
そこで特技を見つけるための考え方のポイントを、5つ紹介します。
- 長所から探す
- 趣味から探す
- 継続できていることから探す
- 他人に評価されたことから探す
- 資格から探す
自分の特技がよく分からない人は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 長所から探す
まずは、自己分析で見つけた自身の「長所」を手がかりにしてみましょう。長所は自分の強みであり、それを具体的な行動や能力に落とし込むことで、説得力のある特技になります。
「なぜそれが長所だと思うのか」「その長所はどんな場面で活かされているのか」と自分に問いかけることで、具体的な特技が見えてくるでしょう。
例)
長所:コミュニケーション能力がある
↓
なぜそう思うのか:初対面の人でも仲良くなれるから
↓
どんな人とでもすぐ打ち解けられるのが特技
そして、自己PRで伝えようとしている長所と一貫性を持たせることで、人物像に明確になり、面接官にも自分を正確にアピールすることができるでしょう。
2. 趣味から探す
「好き」で続けている趣味が特技になる可能性もあります。趣味は人と比べる必要がなく、自分が好きと感じていることを伝えれば問題ありません。
「なぜその趣味が好きなのか」「どのように楽しんでいるのか」を考えることで、あなたの人柄や価値観を伝えることができます。
例)
料理が趣味
↓
なぜ好きか?:栄養バランスや彩りを考え、効率的な手順を組み立てる過程が楽しい
↓
目標(完成形)から逆算し、段取り良く作業を進めることができる
このように、趣味を通して得られた能力や考え方を言語化することで、立派なアピールポイントになります。
3. 継続できていることから探す
継続できていることも、特技としてアピールできます。自分にとっては当たり前に感じていることでも、他人から見れば強みである可能性もあります。
例えば、毎日続けているルーティンや長年続けている習慣などを振り返ってみましょう。それが、あなたの真面目さや自己管理能力、忍耐力をアピールするものになります。
例)
毎朝30分のジョギングを1年間続けている
↓
自分で決めた目標に対し、地道な努力を継続することができる
4. 他人に評価されたことから探す
自分では気づいていない強みや得意なことを、周囲の人が教えてくれる可能性もあります。客観的な評価は、より信頼性の高い特技となるでしょう。
まずは、これまでに家族や友人、アルバイト先の同僚などから褒められた言葉を思い出してみてください。
例)
「君の説明は、いつも分かりやすいね」と友人によく言われる
↓
複雑な事柄を整理し、相手に分かりやすく伝えることが得意
さらに、「字がきれい」「いつも笑顔で周りが明るくなる」といった評価も、仕事に活かせる特技となり得るでしょう。
5. 資格から探す
資格は、あなたの努力の成果を客観的に証明するものであるため、自信を持ってアピールできる要素の一つです。
重要なのは、資格そのものの価値だけでなく、「なぜその資格を取得しようと思ったのか」「目標達成のためにどのような努力をしたのか」というプロセスを語ることです。これにより、あなたの学習意欲や計画性、目標達成能力をアピールできます。
例)
資格:FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得した
↓
なぜ取得しようと思ったのか:お金の知識をつけたいと思ったから
↓
家計管理が得意
資格取得までの道のりを具体的に語ることで、より説得力が増します。
関連記事:就活で資格は必要⁉️あらゆる業界で有利に働く資格7選を紹介!
4.就活でアピールしてはいけない3つの特技
特技は、基本的に何をアピールしても問題ありません。しかし避けたほうが良い項目も存在します。
- ギャンブル
- 宗教・政治
- 犯罪をイメージさせるもの
上記は特技として伝えても、マイナスイメージにしかなりません。そのため、就活の面接では避けたほうが無難です。
1. ギャンブル
ギャンブルは以下が挙げられます。
競馬・競輪・競艇
パチンコ
カジノ
このようなギャンブル全般は、特技として挙げるべきではありません。
たとえ「データ分析力を養った」などのポジティブな言い換えを試みたとしても、面接官によっては「金銭感覚に問題があるのでは」「自己管理能力が低いのでは」といった依存性への懸念を抱く可能性があります。
また、そもそもギャンブル自体を良く思わない面接官もいるため、面接で伝えるのは避けましょう。
2. 宗教・政治
個人の信条は尊重されるべきですが、採用面接という公の場で、特定の宗教活動や政治思想を強くアピールすることは避けるべきです。
多様な価値観を持つ人々が働く組織において、特定の思想を強く主張する姿勢は、協調性や柔軟性に欠けると判断されるリスクがあります。
また、他の社員との円滑なコミュニケーションを妨げる要因になり得ると懸念される可能性もあるため、特技として伝えるのはやめましょう。
3. 犯罪をイメージさせるもの
当然のことながら、犯罪や不正行為をイメージさせる特技は絶対にNGです。
具体的には以下のものなどが挙げられます。
ハッキング
ピッキング
いたずら動画
これらは、たとえ冗談のつもりであっても、企業のコンプライアンス(法令遵守)意識を著しく損なうものです。
企業にとって社会的信用は何よりも大切です。少しでも反社会的なイメージを持たれるような特技をアピールすることは、自身の評価を著しく下げる行為であることを理解しておきましょう。
5.【完全版】就活で使える特技33選
ここでは、就活で使える特技の一例をご紹介します。
また、これらの特技をどのように仕事に活かせれるかについては、以下のように説明すると良いでしょう。
```【学業・文系】
市場調査やデータ分析に基づいた企画立案。会議での論理的な意見表明や、顧客への分かりやすい商品説明などで貢献できます。
【スキル・資格】
海外支社との連携や、資料作成のスピードと正確性、業務効率化ツールの開発などで即戦力として貢献できます。
【スポーツ・体育会系】
高い目標に向かって地道な努力を継続できます。チームの一員として目標達成に貢献し、規律ある行動で周囲を巻き込みます。
【文化・芸術・趣味】
一つのことを粘り強くやり遂げる集中力があります。物事を順序立てて効率よく進める計画性を業務に活かせます。(例:整理整頓→職場環境の改善)
【コミュニケーション】
営業や販売職でお客様との信頼関係を早期に構築できます。チーム内の円滑な人間関係を築き、生産性向上に貢献します。
```
ただし、無理に一覧から探したり、考えたりする必要はありません。「具体例がほしい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
6.特技はPREP法で伝えよう
PREP法は、論理的な文章を作成するためのフレームワークです。
Point(結論)
Reason(理由)
Example(具体例)
Point(結論)
の順番を意識すると、分かりやすい文章が作成できます。
PREP法を使って作成した文章は、下記のとおりです。
P:私の特技はサッカーです。
R:なぜなら、小学生から大学まで16年間サッカーをしてきたからです。
E:高校生のときには、県大会でベスト4まで行きました。そのときにゴールを決め、チームの勝利に貢献できました。
P:以上の理由で、私の特技はサッカーです。
実際に話す際はここまで堅苦しくなくても大丈夫ですが、構成は例を意識すると、論理的な回答ができます。
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7.【5パターン例文つき】特技別アピールの仕方を紹介
特技別にアピール方法を5つ紹介します。
王道のものから、ちょっと変わったものまで紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. サッカー
例はサッカーですが、スポーツ全般に応用が可能です。特に大会などの受賞実績がある場合は、大きなアピールポイントだと言えます。
【例文】
特技はサッカーです。
小学校から高校までサッカー部に所属していました。高校ではキャプテンを務め、チームを県大会ベスト8に導きました。
部活で培ったリーダーシップを活かして、入社後は率先してチームの先頭に立ち、仕事に精力的に取り組みたいです。
2. 料理
料理は女性はもちろん、男性の場合はギャップが狙える特技です。料理は、マルチタスク力や効率よく作業できる点などが、アピールポイントとして伝えられます。
【例文】
特技は料理です。
一人暮らしを始めてから毎日自炊をしており、よく友人に手料理を振る舞っています。
料理はマルチタスクが求められるため、仕事においてもそのスキルが活かせると思います。さまざまな仕事を同時進行で進めたり、スケジュールから逆算してタスクを組んだりする能力を、御社でも活かしていきたいです。
3. 英語
英語は特に外資系や海外支社がある企業などで、大きなアピールポイントとして伝えられます。
【例文】
特技は英語です。
海外留学のためにTOEICを猛勉強し、800点を取得しています。留学先では、現地の人と問題なくコミュニケーションを取っていました。
御社は海外部署があると伺っているので、入社後は英語力を活かして貢献したいです。
4. ものまね
ものまねは一見特技としてアピールしにくそうですが、実は立派な特技として伝えられます。
【例文】
特技はものまねです。
小さなころから人を笑わせるのが好きで、家族や友人によく披露していました。特に〇〇のものまねが得意で「完成度が高い」とよく褒められます。
この特技を活かし、入社後は御社のムードメーカーとして活躍したいです。
5. 人の名前や顔を覚える
「部活動や勉強面で特技と言えることがない」という人でもアピールできるパターンです。
「人の名前や顔を覚える」のような些細なことでも、実は特技としてアピールできます。
【例文】
特技は、人の名前や顔を覚えることです。
一度会った人の名前や顔は忘れないため、アルバイト先でお客様と円滑なコミュニケーションを取ることができ、売上に貢献していました。
この特技を活かして、入社後はお客様と円滑なコミュニケーションを取って、御社に貢献したいです。
8.就活の特技は周りと差をつけるチャンス!
就活の特技は、素直に自分の得意なことをアピールするのがポイントです。
特技は志望動機や自己PRと比べると、対策を怠ってしまいがちですが、特技をきちんと対策していると、周りと差をつけられるため、合格に1歩近づくことができます。
PREP法を意識して、論理的に分かりやすく伝わるように対策をしましょう。