自己PRの正しい書き方とは?企業が見ているポイントも解説【例文つき】

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自己PRの正しい書き方とは?企業が見ているポイントも解説【例文つき】

就職活動では、履歴書やエントリーシート、面接を通して「自分という人間をどう伝えるか」が大きなポイントになります。その中でも特に重要なのが「自己PR」です。

自己PRは、どのような強みやスキルを持ち、どんな場面で成果を上げてきたかを企業にアピールするためのものですが、「自分の強みが分からない」「何をどう書けば評価されるのか見当がつかない」という悩みを抱える方も少なくありません。

この記事では、自己PRとは何かという基本から、企業が自己PRを重視する理由、実際の書き方や注意点、さらによくある質問への回答までをわかりやすく解説します。

はじめて自己PRを書く方も、うまく書けず苦戦している方も、この記事を参考にすることで、より魅力的な自己PRが作れるようになるはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。

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自己PRで企業が見ているポイントとは?

まず、自己PRで企業が見ているポイントを押さえましょう。企業の評価ポイントを知ることで、採用担当に刺さる魅力的な自己PRが書けるようになります。

企業の「求める人物像」とマッチしているか

「求める人物像」とは、企業が採用したい人材の性格や特性を示したものです。言い換えると、「こんな方に内定を出します」「こんな方が社内で活躍しています」といえます。

したがって、いくら素晴らしい強みであったとしても、企業はあくまでマッチングや入社後の活躍の可能性を見て判断しているため、どの部分が企業に刺さるアピールになるのかを踏まえた上で、その企業にあった自己PRをする必要があるといえるでしょう。

具体的には、会社の採用サイトやHPを見て、求めている人物像が何かを理解し、どのようなアピールをすれば企業側に響くのかを考えるとよいでしょう。

入社後に活かせる強みはあるか

企業は、応募者が持っている強みが、入社後の業務でどのように貢献できるのかを具体的にイメージしています。そのため、単に「真面目です」「頑張り屋です」といった抽象的な表現だけでは、全く響かないといえます。

これまでの経験の中で、どのようにその強みが発揮され、どのような成果につながったのかを明確に伝え、入社後も同様に貢献できる可能性をアピールすることが重要です。

さらに、企業の事業目標達成や課題解決にどう結びつくのかを意識して説明することで、説得力のあるアピールになるでしょう。

基礎的な文章力や思考力はあるか

自己PRの内容はもちろんのこと、その文章構成や表現方法から、基礎的な文章力や思考力があるかについても評価されています。

文章力は、書類作成やメール連絡、プレゼンテーションなど、さまざまな業務において必要とされる基礎的な能力であるため、話の導入から結論までの話の構成が適切かつ理解しやすいものになっているか、そして誤字脱字がなく正確な日本語が使えているかといった点が細かくチェックされます。

また、単に経験を羅列するだけでなく、その経験から何を学び、どのように成長したのか、そしてその学びを今後どのように活かしていきたいのかを、自分の言葉で表現する力も重要な評価ポイントです。

自己紹介・長所・ガクチカとの違い

エントリーシートや面接では、自己PRと似たような内容として、自己紹介・長所・ガクチカが挙げられます。

しかし以下のように、それぞれ企業が見ているポイントは異なります。質問の意図を押さえたうえで、適切な自己アピールをしましょう。

項目 企業が見ているポイント
自己PR 「求める人物像」とマッチしているか
入社後に活かせる強みはあるか
自己紹介 専攻分野や部活動などの簡単な経歴
長所 元々もっている資質や特性
客観的に自己分析できているか
ガクチカ 主体性や課題解決力はあるか
チームでの役割や協調性

上記の内容に加えて、エントリーシートの場合は基礎的な文章力や論理的思考力、面接の場合はコミュニケーション能力が、特に重きを置かれているといえるでしょう。

関連記事:自己PRとは?~企業が見ているポイントや作成のコツも紹介~

自己PRの書き方

企業が見ているポイントを理解したら、さっそく自己PRを書いてみましょう。次の3ステップで進めていけば、魅力的で採用担当に刺さる自己PRが完成します。

①強みや根拠となるエピソードを洗い出す

まずは自己分析を行い、自分の強みやその根拠となるエピソードを洗い出してみましょう。

自己PRには、自分の個性や企業への貢献意欲を示すための要素が必要です。具体的には、自分の強みが何か、その強みをどのように仕事で活かせるのか、そして企業にどう貢献したいのか、といった点を明確にすることが重要であるといえるでしょう。

そして、自分の強みや企業に貢献できる根拠となるエピソードを洗い流すにあたって、ゼミ・サークル活動・アルバイトなど、学生時代のさまざまなシーンを振り返り、成功体験だけでなく上手くいかなかった経験も書き出してみるとよいでしょう。

この際、必ずしも他の就活生と被りそうなものだからといって、避ける必要はありません。その経験に至るまでの過程や、それによってどのような変化があったかを振り返ることで、自分ならではの自己PRになるのです。

②志望企業の求める人物像をチェックする

次に、志望企業の採用サイトなどで「求める人物像」をチェックしましょう。

この求める人物像に、自分の強みや価値観が当てはまっているかどうかを吟味し、自分と求める人物像が一致していることを裏付けるエピソードを自己PRのテーマとして選びましょう。

就活では「何をどう伝えれば採用したいと思ってもらえるか」と、企業側の視点で考えることが重要です。やみくもに自分の伝えたいことを伝えるのではなく、何が相手に刺さるのかを考え、戦略的に自己PRしましょう。

ただし、各社の求める人物像に無理やり寄せることは避けましょう。自分の意思や価値観を偽ってしまうと、ミスマッチを引き起こし、入社後に後悔してしまう可能性があります。

③構成を意識して端的にまとめる

アピールする強みやエピソードが決まったら、いよいよ文章にまとめていきます。自己PRの文字数制限は300文字〜400文字が一般的です。

限られた文字数で自分の魅力を最大限にアピールするためには、以下のようにPREP法を用いた文章構成にするのがオススメです。

【PREP法】
P(Point:結論)→R(Reason:理由)→E(Example:具体例)→P(Point:結論)の順に話を展開する方法です。結論から述べることで要点が伝わりやすく、根拠となる事実や例をあげることで説得力が増します。

このPREP法を利用した自己PRの例を、以下でご紹介します。


P(結論):私の強みは、目標を達成するまで努力し続ける粘り強さです。

R(理由):大学1年生のとき、テニス部で団体戦のレギュラーを獲得するという目標を掲げ、約2年間にわたって毎日2時間自主練習を続けました。

E(具体例):これまでレギュラーメンバーは高校からテニスを始めた経験者のみでしたが、未経験者の私でもレギュラー入りできると信じ、練習の量と質を意識して日々修練を重ねました。その結果、大学3年生のときに初めて、80人以上部員がいる中から未経験者で唯一のレギュラー入りを果たし、2年前に掲げた目標を達成することができました。

P(結論):貴社でも持ち前の粘り強さを活かし、目標達成のために尽力いたします。

また、「毎日◯時間練習した」「前年比◯%を達成した」など、数字を盛り込むとよりアピール力が高くなります。取り組み姿勢や成果の大きさが具体的に伝わり、他の就活生との差別化がはかれるでしょう。

【強み別】自己PRの例文

続いて、自己PRの例文を2つご紹介します。ご自身の強みやエピソードに近いものをぜひ参考にしてみてください。

①行動力の場合

【例文】
私の強みは、チームの課題解決のためにいち早く改善策を施す行動力です。【P】

私はカフェでアルバイトをしているのですが、作業効率化と新人定着化を目指して業務マニュアルを自主的に作成しました。【R】

マニュアル作成にあたりまず行ったのは、業務内容のリスト化です。日々の作業をすべて洗い出し、頻度や難易度別にリスト化したことで、分担や新人教育がスムーズに行えるようになりました。

また、一つひとつの作業内容を言語化したことで、いつでも作業の復習ができるようになり、新人含め従業員全体のミスを減らすことに成功しました。

さらに、マニュアル完成後は新人へのヒアリングも行い、分かりづらい箇所や足りない部分がないかチェックし、修正を重ねました。

その結果、作業効率化と新人のスキルアップに貢献でき、新人の定着率は約50%から約80%まで改善されました。【E】

貴社でもこの行動力を活かし、組織の課題解決や目標達成に向けて積極的に取り組みます。【P】
(400文字)

行動力は、実行力・遂行力・バイタリティ・主体性・周囲を巻き込む力などとも言い換えられます。それぞれニュアンスが異なるため、適切かつ効果的に自己PRするためにも、自分にピッタリあう言葉を選んでみてください。

②計画性の場合

【例文】
私の強みは、先を見越して行動し、着実に目標を達成する計画性です。【P】

私は「2023年9月に開催される国際学会で研究成果を発表する」という目標を掲げ、約1年半前から計画的に研究データの収集に取り組みました。【R】

研究テーマは沿岸域の生態系だったのですが、データ収集には月に一度のフィールド調査が必須でした。そこで、教授と相談しながら全調査日程を仮決めし、学会までに必要なデータをすべて集められるよう調整しました。

また、3ヶ月ごとに研究室内で中間発表を行い、教授や先輩から定期的にフィードバックを受けるようにしました。天候の影響で調査が遅れたり、実験が思うように進まないこともありましたが、自分が立てた計画から1週間以上の遅れが出ないよう、必ず週単位で調整を行いました。

その結果、目標通り国際学会に参加でき、優秀発表賞を受賞することができました。【E】

貴社でも目標達成に向けて計画的に業務に取り組みます。【P】
(392文字)

責任感は、使命感・最後までやり遂げる力・リーダーシップとも表現できます。他の就活生と差別化をはかるためにも、エピソードにあわせて適切な言葉を選びましょう。

自己PRの提出前に注意すべきポイント

最後に、自己PRの注意点やNG例をご紹介します。エントリーシートを提出する前に、次の3点を必ずチェックしましょう。

①誤字脱字はないか

誤字脱字があると、マイナスの印象を与えてしまいます。内容が正確に伝わらない可能性もあるため、提出前に必ず読み直すようにしましょう。

具体的には、声に出して読んでみたり、少し時間を空けてから読み直したりするのがオススメです。また、第三者に確認してもらうのもよいでしょう。

②一文が長すぎないか

企業の担当者は、膨大な数のエントリーシートなどを読んでいるため、読みづらく、何が言いたいのかすぐに分からない文章は、最後まで読んでくれない可能性があります。また、文章力が低さや文章構成の不十分さを露呈することになり、マイナスの評価になってしまうでしょう。

一文の長さは40文字〜60文字がベストで、長くても80文字以内に収めること心がけましょう。

【良い例】
私の強みは、目標を達成するまで努力し続ける粘り強さです。大学1年生のとき、テニス部で団体戦のレギュラーを獲得するという目標を掲げ、約2年間にわたって毎日2時間自主練習を続けました。

【悪い例】
私の強みは目標を達成するまで努力し続ける粘り強さで、大学1年生のとき、テニス部で団体戦のレギュラーを獲得するという目標を掲げて、約2年間にわたって毎日2時間自主練習を続けました。

③指定文字数の8割以上を埋めているか

文字数があまりにも少ないと、企業に対する熱意が感じられない自己PRになってしまいます。同時に、文章の中身も薄くなってしまうため、自分自身のことを十分に伝えることができないといえます。

自己PRの記入欄に「◯文字以内」と文字数制限があった場合は、指定文字数の8割以上でまとめるのがベストです。400文字以内の指定なら320文字以上、300文字以内の指定なら240文字以上で記入しましょう。

まとめ

ここまで、自己PRの書き方やポイントをご紹介しました。まずは、自分自身にどのような強みや価値観、アピールできるエピソードがあるかを掘り出すところから始めましょう。

そして、志望企業の求める人物像や、PREP法の文章構成を意識し、採用担当に刺さる自己PRを完成させましょう。

また、「自分の強みがわからない…」「自己PR以外も対策したい」など、自己分析やエントリーシートの作成に悩んでいる方は、「チアキャリア」の1on1面接対策や自己分析セミナーがオススメです。

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またチアキャリアでは、自分の強みや仕事の適性がわかる「就活適性検査」も受けられます。ぜひ適性検査も活用して、自己分析をさらに深めてみてください。

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この記事を書いた人
遠藤茉由佳

フリーライター。東証プライム上場企業にて19卒〜23卒の新卒採用を担当。
年間1,000人以上の面接官、年間100人以上のリクルーターを務める。
スカウトサービス運用の責任者や、インターンシップの企画・運営、第二新卒採用なども担当。
皆さんの就活を支援できるよう、元人事の視点で就活ノウハウを発信します。

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