【保存版】就活のやり方をまるっとチェック!春の解禁前からのスタートがカギ
就職活動はやることが盛りだくさん。「早く始めたほうがいいのはわかるけど、何から始めたらいいの?」と気持ちばかり焦ってしまっている人も多いのではないでしょうか。
これから就職活動を始める人は、まずは就活の全体像を把握し、おおまかなスケジュールを作成することが大切です。
そうすれば、やるべきこととその優先順位が整理できるので、あとはひとつひとつ根気強く取り組んでいけば、着実に前に進むことができます。
就活に不安がある人、どこから手を付けたらいいかわからない人のために、就職活動の流れとやるべきことをまるっとご紹介します。
まずは就活のスケジュールをチェック
就職活動は年ごとにある程度全体のスケジュールが決まっています。
個人レベルでやるべきことを紹介する前に、まずは2024年卒を例に、就活全体のスケジュールをチェックしておきましょう。
就活スケジュール | 回答 |
---|---|
2022年4~6月頃 | サマーインターンシップ情報公開開始 |
2022年7~9月頃 | サマーインターンシップ開催 |
2022年10月 | 外資系企業・一部マスコミなどのエントリー開始 |
2023年2月頃 | 先行して採用活動を行う企業の会社説明会開催、エントリーシート受付開始(エントリーシート提出後、5月頃までにかけて、面接や内々定出しが随時行われる) |
2023年3月 | 就職情報解禁。政府指針にのっとって採用活動を行う大手企業群の会社説明会開催、エントリーシート受付開始 |
2023年6月 | 政府指針にのっとって採用活動を行う大手企業群の面接解禁、内々定出し開始 |
※上記スケジュールは目安であり、実際のスケジュールは業界や企業によって異なります。
春の本格解禁前の行動がカギ!
前述の通り、2024年卒の就職活動の本格解禁は2023年3月です。
ただし、これはあくまでも政府指針にのって採用活動を行う企業だけに当てはまる話であり、中小企業やベンチャー企業などはこれよりも選考プロセスを前倒ししていることがほとんどです。
特にベンチャー企業は採用活動を前倒しする傾向にあり、2022年中に内々定を出す企業も多数出てくるはずです。
表向きは「2023年3月解禁」であっても、ベンチャー企業や中小企業は、政府指針を守る大手企業群が採用活動を本格化する前に、内々定出しを終えているケースが多いのです。
また、大手企業志望の人も2023年3月の本格解禁のタイミングで就職活動を始めたのでは遅すぎるでしょう。
3月以降、さまざまな企業の説明会やエントリーシートの締め切りが相次ぎ、その後随時、筆記試験や面接へと進んでいきます。
もしその時点でまだ志望業界が決まっておらず、エントリーシートを書く準備や筆記試験対策、面接対策もできていないという状況では、大きく出遅れてしまうことが簡単に想像できるのではないでしょうか。
就職活動を始めるべきタイミングは志望する業界や企業によって異なりますが、春の本格解禁前の準備が就職活動の成否を握るといっても過言ではありません。
いざ志望業界や志望企業のエントリー受付が始まったときに力を出せるよう、それ以前にしっかりと準備を進めておくことが大切なのです。
就活全体の流れを押さえよう
「早めの行動が大事だということはわかったものの、具体的に何をすればいいかわからない」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
就職活動においては、まずは本番(選考)までにやるべきことの全体像を把握して、おおまかな全体スケジュールを立てることが大切です。全体像が把握できたら、それぞれの項目でやるべきことを細分化していきましょう。
ここでは、就活でやるべきことの全体像を把握するために、就活全体の流れを項目レベルでみていきましょう。各項目で具体的にやるべきことは追って解説します。
就活でやること~準備編~
まず、選考が始まる前に準備しておくべきことが以下の通りです。ここにどれだけじっくり取り組めるかによって、選考で力を発揮できるかが大きく変わってきます。
- 自分を知る(自己分析)
- 業界研究・企業研究
- リクルートスーツや履歴書写真の準備
- インターンシップ参加
- OB・OG訪問
- 筆記試験対策
- 企業説明会参加
- エントリーシート・履歴書の準備
- 面接対策
順番については、必ずしもこの通りになるわけではありません。
自己分析と業界研究を並行して行う人も多いでしょうし、インターンシップ参加やOB・OG訪問をした後、改めて自己分析をする人もいるでしょう。
志望動機や自己PRをブラッシュアップするためには、状況に応じて、過去にやったところにまた戻ることも必要なのです。
就活でやること~実戦編
次に、実際の選考プロセスにおいて経験することは以下の通りです。ほとんどの人が複数の企業に並行して応募するため、実際には「A社の面接後にB社のエントリーシートを提出する」など、各フェイズが入り乱れる状況になります。
- エントリー・選考応募
- 筆記試験・適性検査受検
- グループディスカッションや集団面接
- 個別面接
続いては、「就活でやること~準備編~」で紹介した項目をひとつひとつ掘り下げてご紹介します。
自分を知る(自己分析)
就職活動において最初にやることのひとつが、「自分を知る」ための活動です。そして、「自分を知る」ための活動として不可欠なのが「自己分析」です。
自己分析は、自分の経験や過去の出来事、そのときに感じたことなどを掘り下げることで自分の強みや弱み、就職活動の「軸」を見つけるために行うものです。
また、自己分析で自分の強み・弱み、価値観をクリアにすることは志望動機や自己PRの形成にもつながるため、選考の場でも生きてきます。
自己分析にあたっては、まずは「自分史」や「ライフラインチャート」「マインドマップ」などを作成して自分の情報を整理するといいでしょう。
その上で、嬉しかった出来事があれば「なぜ嬉しかったのか」を自問するなど、自分自身に「なぜ?」という問いかけを繰り返して、自分の価値観や人間性を深掘りしていきます。
自問自答するだけでなく、家族や友人など周囲の人にも自分の長所や短所などを聞いてみることで、自分でも気づいていなかった強みが浮かび上がってくるかもしれません。
こうして自己分析をすることで、いままであまり意識していなかった自分の強みや弱み、働くうえで大事にしたいことなどが見えてくる人も多いはずです。
ただ、自己分析はただ机に向かっているだけでは深まってきません。インターンシップに参加して「この仕事が面白い」と感じたり、OB・OG訪問をして先輩の話に共感したりと、人との対話や新しい体験を通して自分の価値観がクリアになっていくことも多いものです。
「自己分析」だからといって自分の世界にこもるのではなく、人と会ったり行動したりしながら、自分との対話を深めていきましょう。
業界研究・企業研究
自己分析に加えて、業界研究・企業研究も早めに着手しておきたいことのひとつです。「業界研究」とは、世の中にあるさまざまな業界の種類や特徴について知るための活動を指します。
業界研究の目的は大きく分けて2つあり、「自分に合った業界を絞り込むこと」「志望業界の知識を得ること」です。就職活動開始時点では、「さまざまな業界に興味があって絞り込めない」という人も少なくありません。
業界研究を通して得た情報と、自分の就活の「軸」を照らし合わせることで、志望業界の絞り込みがしやすくなります。
また、興味を持っている業界についてより深く知ることは、志望動機の形成にも役立つため、さまざまな業界について広く浅く知った後は、興味のある業界について、さらに掘り下げて研究するといいでしょう。
一方、「企業研究」は個別の企業を詳しく理解するための活動です。
企業研究には、「興味のある業界の中で志望企業を絞り込む」「志望動機を作成する」といった目的があります。
企業概要はもちろんのこと、企業の強みや弱み、業界での立ち位置、最近の動向、経営者の考えや社風など、さまざまな角度からアプローチを行い、その企業を多角的に理解するよう努めましょう。
企業研究においては、ホームページの情報やプレスリリース、企業説明会など、企業側が提供している情報だけでなく、社員の生の声を聞くことも大切です。後述するOB・OG訪問も交えて企業研究を行っていくことをおすすめします。
業界研究や企業研究は、就活の「軸」を見つけることにも役立つため、自己分析と業界研究・企業研究を並行して行うことで、より自分の価値観がクリアになるでしょう。
リクルートスーツや履歴書写真の準備
リクルートスーツや履歴書写真が必要になるタイミングは人によって異なりますが、早期インターンシップへの参加を考えている人は、早めの準備が大切です。
リクルートスーツ
リクルートスーツに明確なルールはありませんが、男女ともに黒のシンプルなスーツが定番。その次に紺やグレーも人気があります。
「リクルートスーツ」として売られているスーツには、保守的なシルエットのものもあれば最近のトレンドを反映したスタイリッシュなシルエットのものもあります。
自分に似合うものを選ぶのが一番ですが、業界によって好まれる装いが異なってくることは念頭に置いておきたいところです。
リクルートスーツは体型に合ったシルエットやサイズ感、すっきり見える丈感などがポイントになってくるので、専門店でプロにアドバイスをもらいながら選ぶといいでしょう。
スーツはもちろんのこと、シャツや靴、ベルト、バッグ、コートなども必要になってくるので、一式をコーディネートして購入すると統一感が出るでしょう。
履歴書写真
就職活動にあたっては、エントリーシートや履歴書に写真を貼る機会が多くあります。最近ではオンラインで選考書類を提出するケースも増えていますが、その場合もスマホで自撮りした写真を提出するというわけにはいきません。
写真によってその人の印象が大きく左右されるため、写真の良し悪しが選考結果に影響を与えることもあります。履歴書写真は証明写真ブースでも簡単に撮れますが、できれば就活写真に強い写真館で撮ってもらうのが理想です。
髪色が明るすぎるとリクルートスーツを着たときに違和感が出てしまうため、履歴書写真を撮る際は髪色にも注意が必要です。
必ずしも明るい髪色がダメというわけではありませんが、業界や企業によっては茶髪や金髪は選考で不利になるケースがあり、就職活動を機に髪色を暗くする人も多いのが現状です。
就活を機に髪色を変える人は、履歴書写真を撮る前に済ませておきましょう。
インターンシップ参加
就職活動が本格解禁となる前の年の夏頃から、インターンシップの募集が増え始めます。
インターンシップは必ず参加しなければならないというものではありませんが、参加しておいたほうがその後の活動がスムーズになる可能性が高まります。
一口に「インターンシップ」といっても内容はさまざまで、1日あるいは半日で完結するようなプログラムもたくさんあります。
短期間で完結するようなインターンシップは本来の意味の「就業体験」とは言い難い部分がありますが、さまざまな業界のことを学んだり、特定の企業を知るきっかけにしたりするには非常に有効です。
志望業界が定まっていない段階でも、興味のおもむくままにいくつかのインターンシップに参加することで、見えてくるものがあるかもしれません。
ある程度志望業界や志望企業の絞り込みができている人は、長期のインターンシップに参加するのも手です。
長期インターンは企業の実務の一部を体験することが多いため、基本的なビジネススキルなど実社会で役立つ能力が磨けるほか、仕事のリアルなやりがいや厳しさも体感することができるでしょう。
OB・OG訪問
「OB・OG訪問」とは、自分が在席している大学の卒業生を訪問し、勤務する企業や仕事について話を聞くことです。
最近はインターネットでさまざまな情報が得られることもあり、OB・OG訪問に力を入れる学生は少なくなってきていますが、上手に活用すればOB・OG訪問は就職活動において大きなプラスになります。
OB・OG訪問の目的は、興味を持っている企業で働く先輩から、仕事のやりがいや厳しさ、社風などについて話を聞くことで、その企業と自分の相性を判断したり、志望動機の形成に役立てたりすることです。
ホームページを見たり、会社説明会に参加したりするだけでは、その企業の「素の姿」は見えてきません。だからこそOB・OG訪問をして「生の声」を聞くことが大切なのです。
実は、OB・OG訪問は志望動機や自己PRをブラッシュアップする機会としても活用できます。
OB・OG訪問の場で、「自己PRを聞いてください」と先輩にぶつけてみるのです。
「それじゃあ自己PRになってないよ」とダメ出しをされて落ち込むこともあるかもしれませんが、先輩からのフィードバックを生かして志望動機・自己PRを改善していけば、本番(選考)までに志望動機・自己PRに自信が持てるようになっているはずです。
なお、OB・OG訪問は自分が在席している大学の卒業生から話を聞くのが一般的ですが、大学の先輩だけにこだわる必要はありません。もし自分の大学の卒業生で話を聞ける人が見つからなければ、その企業の人事に紹介をお願いするなどしてもいいでしょう。
筆記試験対策
多くの企業では、エントリーシート提出後に筆記試験や適性検査が行われます。
筆記試験については国語や数学、英語などの能力を問うものが多く、最も多くの企業が採用しているのが「SPI」です。
そのほか「玉手箱」や「TG-WEB」といった試験を導入している企業もあるほか、業界や企業によっては時事問題などを取り上げたオリジナルテストを取り入れているケースもあります。
就職活動で遭遇する筆記試験は、高卒レベルのものが中心ですが、大学では自分の専門以外の勉強はあまりしないこともあって、事前に対策をしておかないと「苦手な分野の問題はさっぱり……」という状況になってしまいかねません。
おまけに制限時間もタイトなので、試験慣れしていないと制限時間内に回答を終えること自体が難しいでしょう。
あらかじめ市販のSPIの問題集などを解いておき、試験の感覚をつかんでおくだけでも結果は大きく違ってくるはずです。
就職活動が本格化してからでは間に合わなくなる恐れがあるため、筆記試験対策は、年明け前の余裕のあるうちにスタートしておくのがおすすめです。
企業説明会参加
就職活動が本格化してくると、各地で個別の企業説明会が開催されます。参加にあたっては、就活サイトや企業のホームページ等からの予約が必要です。
人気企業の場合、説明会の受け付け開始から短時間で満席になってしまうこともあるため、説明会の予約自体が情報戦といえるでしょう。
企業説明会に参加しなくても選考フローに進める企業が多いものの、エントリーシート対策や面接対策の意味でも、応募を検討している企業の説明会は可能な限り参加しておきたいところ。なかには、企業説明会の参加を選考に進むための条件としている企業もあるので要注意です。
また、企業説明会での態度をチェックしている企業もあるため、「だらしない格好で参加する」「きちんと挨拶をしない」「説明会中に寝る」などはもってのほか。「企業説明会も選考の一部」という気持ちで参加するようにしましょう。
エントリーシート・履歴書の準備
選考プロセスの第一歩が、エントリーシートや履歴書の提出です。エントリーシート・履歴書といった企業所定の書類を提出することによって、採用選考に応募したことになります。
なかにはエントリーシートを提出した人全員が面接に進める企業もありますが、ほとんどの企業においては書類選考による「足切り」が行われます。
どんなにその企業に行きたい気持ちが強くても、書類選考を通過できなければおしまいなので、エントリーシートはじっくりと時間をかけて、万全の状態に仕上げたいものです。
なかでも重要なのが自己PRと志望動機で、特に志望動機については「同業他社ではなく、“その企業”を志望する理由になっているか」がポイントです。
エントリーシートを書くにあたっては、できるだけ社会人の先輩など第三者に見てもらうようにしてください。
OB・OG訪問をした場合は、その先輩に頼んでみてもいいでしょう。
なお、「企業説明会参加後にエントリーシート提出」という流れが一般的ですが、エントリーシート提出後に説明会を開催する企業や、説明会当日にその場でエントリーシートの記入を求める企業も存在します。
面接対策
「就職活動で一番不安なのが面接」という人も多いのではないでしょうか。新卒採用では複数回の面接(グループディスカッションやグループワークの場合もある)が実施されるケースが多く、面接は就職活動の最大のハードルといっても過言ではありません。
ただ、特にインプット中心の教育が行われている日本では、自分をプレゼンテーションすることに慣れている学生はほとんどいないため、面接が不安なのは誰でも同じです。事前にしっかりと対策をして、不安を解消していきましょう。
就職活動の面接には、複数人の学生が同時に面接を受ける集団面接(グループ面接)と個別面接があります。変化球として、グループディスカッションやグループワークを採用している企業も多くなっています。
全体の傾向として、集団面接やグループディスカッション、グループワークは選考の初期段階で実施され、候補者がある程度絞り込まれてきた後半では、学生の人となりをより深く知るために個別面接が行われるケースが多いです。
面接対策においては、想定質問を用意し、想定質問に対してどのような受け答えをするのか、自分の考えやアピールしたいことを整理しておくことが大切です。
ただし、面接は「コミュニケーション」であり「言葉のキャッチボール」なので、「用意してきたセリフを棒読みしている」ような状態にならないよう気を付けましょう。
また、「何を言うか」だけでなく、身だしなみや表情、しぐさ、声のトーンなども極めて重要な要素です。面接対策は「受け答えの内容」と「見せ方」の両面でトレーニングを行う必要がありますが、これらの対策を自分1人で行うのは困難です。
できれば社会人経験のある人が理想ですが、家族や友人、先輩などの協力を得ながら、入室時の立ち居振る舞いも含めて、面接のシミュレーションを行いましょう。また、プロが立ち居振る舞いや受け答えをチェックしてくれる面接対策講座に参加すると、自信につながります。
おわりに
ここまで一気に就職活動でやるべきことを見てきました。やるべきことの多さに打ちのめされてしまった人もいるかもしれません。
確かに就職活動は大変ですし、やるべきことは山ほどあります。しかし、あなたの将来のキャリアを大きく左右する活動である以上、就職活動は全力で取り組む価値があります。
また、就職活動は意外と「楽しい」ものです。世の中のさまざまな業界のことを知ったり、たくさんの人と会って話を聞いたり、新たな興味・関心が見つかったり……。自分と向き合う機会も多いので、就職活動をしているうちに「一皮むけた」ような成長を実感する人も多いはずです。
これから就職活動を始めるあなたには、ぜひそんな就活のプラスの面に目を向けて、前向きな気持ちで臨んでほしいと思っています。あなたの就活が実り多きものとなることを願って!