新作落語「バールのようなもの」みたいな小話「内定のようなもの」

2019.04.10

新作落語「バールのようなもの」みたいな小話「内定のようなもの」

どうも久しぶりに通販帝酒楽と申します。

今も昔も物知りな人っているもんで。
デザイナー志望の戸田は、気になる事があり物知りの教授の元へやってきました。

戸田:教授!
今度就活で「履歴書のようなもの」を持って来いっていわれたんだが、この履歴書のようなものっていうのはなんだい

教授:履歴書のようなものは履歴書のようなものじゃないか。
そんなこともわからないのかい?

戸田:履歴書のようなものっていうのは履歴書を持っていけばいいのかい?

教授:いや履歴書のようなものは履歴書ではない
いいかい
女のような、は女じゃない
肉のような、は肉じゃない
夢のような、は夢じゃない。

だから履歴書のような、は履歴書ではないんだ

戸田:あー確かに夢のような。これは現実の出来事だ。
「ような」がついたら前の言葉と違う言葉になる!

教授:そうそう。要は履歴書みたいな自分の経歴がわかるものを持ってきて欲しいけど、
普通の履歴書ではなく、履歴書に代わる物を持ってきて欲しいと言うことだ。

戸田:あーなるほど。確かにそれなら良かった。じゃあ履歴書じゃなくポートフォリオに自分の作ったデザインをまとめてそれを提出しよう

教授:確かにデザイナー志望にとって履歴書のようなものはポートフォリオでいいんじゃないか。

履歴書のようなものがわかった戸田。
ご機嫌に面接へ。
ポートフォリオも好評で面接も終盤

面接官:なるほど。他の会社から内定はもらってるのかい?

戸田:いえ、内定はまだです。

面接官:そうかい内定はまだなのかい。

戸田:内定のようなものをもらってます。

面接官:なんだい内定が出てるんじゃないかい

戸田:いえ!内定のようなものです。まだ内定は出てないです。

面接官:だから内定がでてるんだろ

戸田:いやだから内定はでてないんです。
例えば
女のような、は女じゃない
肉のような、は肉じゃない
夢のような、は夢じゃない。
じゃあ内定のようなは

面接官:内定だよ!なんだい君はふざけてるのかい?


最後の最後に面接を失敗してしまった戸田。
教授のもとに行き顛末を説明。


教授:お前さん。それは内定だよ。世の中には「ような」をつけることで意味を強調する言葉もあるんだ。
例えば愛人のような女っていったら?


戸田:愛人だ

教授:それと同じで内定のようなは

戸田:あー内定だ。教授もっと前もって言っておいてくれよ。

教授:ちなみに面接結果は?

戸田:お祈りのようなものでした

説明会のようなものでなく説明会はこちら
https://www.passion-navi.com/company/seminar_detail/2944/54981
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