市況分析

資格って持っていたほうが就活に有利?

資格の時間対効果(資格取得にかける時間あたりの効果)を知っていますか?

「資格を取ってから就職・転職活動をするつもりです」と言う求職者の方はとても多いです。
資格を取らないにしても職業訓練所や独学で勉強してからの方が、
自信を持って就職・転職活動に臨めると言うのはごもっともな意見だと私も思います。

履歴書にも資格欄があり、立派な資格が書いてあれば、
書類選考通過率も向上しそうに感じてしまうのも無理はないでしょう。

しかし実際問題として、時間対効果はそこまで大きくない、
つまり企業はそこまで資格を重視していない場合が多いことはご存知でしょうか?

企業は資格をあまり重視していない?!

簿記やTOEICなどの資格等を持っていても損こそはしませんが、
直接業務に関連しない場合は、期待しているほど優遇されないことはよくあります。

株式会社リクルートキャリアが「就職白書2019」で発表したデータによると、「企業が採用基準で重視する項目」の中で
「取得資格」は全体の14番目で、重視する企業の割合も9.5%にとどまるということがわかりました。
(参考:https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/c07a2df34dc6f701c465a6dbc3df4850.pdf)

採用基準で最も重視される項目である、「人柄」の割合が92.2%であることから、
企業が学生の持っている資格に興味を持つ確率は、学生の人柄に興味を持つ確率の10分の1程度と言うことができます。

学生が資格取得をアピールする割合が12.4%であるのに対し、企業側の重視する割合が9.5%と少なく、
また学生が人柄をアピールする割合が32.1%であるのに対し、企業側の重視する割合が92.2%と圧倒的に高い理由は
新卒一括採用という日本の採用システムにあります。

新卒一括採用では、実務経験のない学生のみなさんが採用の対象となっていますが、企業が求めている人材は
現段階での専門知識を持っていることより、今後40年間働き続けてくれる熱意、
入社後活躍してくれるであろう可能性、ポテンシャルです。

とはいえ、9.5%の企業が「取得資格」を重視していることから就活で有利になる資格も
もちろんあるということがわかります。
英会話能力、難関国家資格、情報技術から運転免許まで世の中には様々な資格が存在し
あなたの志望する企業・業種では必須の資格もあるかと思います。

それでも資格を取っておきたい!

就活を有利に進めたい!と考えての受験ならば、あなたにとって興味深い知識分野であることはもちろん、就活スケジュールを圧迫しない、できれば就活を始める前にやるのが良いと思います。

例えば、TOEICを受けてそのスコアをESに書きたいという人は、ぜひ就活開始の1ヶ月前までの受験をおすすめします。
なぜなら、TOEICのスコアが自宅に郵送されるまで約1ヶ月かかるため、せっかく優れたスコアを獲得してもESに書くことができないからです。

また、就活と並行して資格取得の勉強をしようと考える人がいるかもしれませんが、この戦略もよろしくありません。
就活解禁以降は、説明会、ES提出、適性検査の受検、面接などが続き、
勉強するための時間を十分に取ることが難しくなるからです。

就活までの期間だけでなく内定から就職までの期間、さらに就職後でもあなたの目指すキャリアに必要な知識を習得する時間を確保することは、充分に可能です。
そして実体験から申し上げると、実務を通して見聞した知識が活かせる勉強時間の有意義さは比較になりません。

一般的に就活で有利になりうる資格を10つ選ぶとしたら

資格を取るならオススメはありますか?と聞かれて答えるなら・・

``` 1. TOEIC

  1. 難関国家資格
  2. TOEFL iBT
  3. 日商簿記
  4. MOS
  5. ITパスポート
  6. FP技能検定
  7. 宅建
  8. 秘書検定
  9. 運転免許 ```

一概に資格が常にアドバンテージになり得るかというと眉唾ものです。
しかし、資格を取ってから就職・転職活動をする場合、資格を取得するまでの期間が長引いてしまい、それによる空白期間をネガティブに受け取られる場合すらあります。
資格取得は目指す企業や、やりたい仕事によっては時間に対する効果が低い場合があります。

資格をやみくもに受験するよりも、どんな業界・仕事をしたいのか。そのためにはどんな勉強が必要なのか、と言うことを資格の勉強を始める前に考えてもいいかもしれません。

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この記事を書いた人
平塚

代表取締役 平塚ひかる
年間で10万人が利用する就職サイトチアキャリアを運営する株式会社Cheer代表取締役。
新卒で入社した会社を3ヶ月目の22歳で役員に。1年目で営業成績1位、全社MVP。営業・マーケや開発・広報・人事管轄の取締役として従事したのち独立。
第一回日本中小企業大賞三冠・三年連続受賞したのち殿堂入りし、審査員就任。
東京都の【多様な主体によるスタートアップ支援展開事業】分科会審査員を2期連続担当。
意思決定層のジェンダーギャップに取り組む「スポンサーシップ・コミュニティ」発起人を務める。

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