【前編】企業選びに重要?福利厚生について考える

市況分析

【前編】企業選びに重要?福利厚生について考える

「充実した福利厚生」
魅力的なワードですよね。

就職みらい研究所が行なった
2020年卒の先輩へのアンケートによると
「就職先を確定する際に決め手になった項目」の中で「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」が第2位にランクインしています。

福利厚生が充実しているイメージが強いのはやはり大手企業かと思いますが、ここでは
「そもそも福利厚生とは何なのか?」
「ベンチャー企業の福利厚生は実際どうなのか?」
「『こんなものまで!?』と思ってしまうベンチャー企業の面白い福利厚生」
などを前編後編に分けて紹介していきます!

まずは福利厚生の基本事項を紹介します!

https://www.tiktok.com/@cheercareerceo/video/7249896072200375559

福利厚生とは

そもそも「福利厚生」とは
どういうものなのか説明できますか?

「福利厚生」とは、
企業から従業員へ支払われる、給与・賃金以外の報酬のことです。
福利厚生の中には、従業員以外の家族も対象になる場合もあります。

また「福利厚生」は大きく

  • 法定福利厚生
  • 法定外福利厚生 の2つに分類できます。

「法定福利厚生」

法定福利厚生は、法律により、企業で実施が”義務”付けられている福利厚生のことを指します。

例)

  • 健康保険・介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険・労災保険
  • 子ども・子育て拠出金 など

「法定外福利厚生」

法定外福利厚生は、企業が独自で決め、”任意”で実施する従業員等向けの福祉施策のことを指します。

例)

  • 住宅関連(住宅、持家援助)
  • 医療・健康(医療・保健衛生施設運営、ヘルスケアサポート)
  • ライフサポート(給食、保険、財産形成 など)
  • 慶弔関係(慶弔金、法定超付加給付)
  • 文化・体育・レクリエーション など

ただしこれらの項目に関して、
一人暮らしだったり実家に住んでいたり、
独身だったりパートナーがいたり、
子どもがいたりいなかったり
など、それぞれのライフスタイルにより、福利厚生を利用するかどうか個人差が出てきてしまう場合もあります。
そのような場合に採用される制度が「カフェテリアプラン」です。

「カフェテリアプラン」とは

従業員に対し、所定の福利厚生費用に連動したポイントを支給し、自分が利用したい福利厚生を自由に選び、所定の期間内に消化する制度です。

カフェテリアプランを導入することで社員のそれぞれの環境やライフスタイルに合わせた福利厚生を与えることができます。

福利厚生は何のためにあるのか

求職者からすると、
福利厚生の充実 = 社員への投資
→どれだけ社員を大切にしてくれるのか

という視点からも、「福利厚生」の項目に注目している人が多いでしょう。

もともと福利厚生は何のためにあるのかというと

  • 従業員のエンゲージメントを高めるため
  • 従業員の定着率を上げるため
  • 従業員の勤労意欲を上げるため でした。

しかし、時代が変化していく中で、これまでの福利厚生のあり方や制度のままだと、いくら充実した福利厚生を持ってしても、採用や従業員の定着が難しい、、と悩む企業もありました。

例:サイボウズ株式会社「ワークスタイル変革」

2020年版 日本における「働きがいのある会社」ランキングで、中規模部門 第2位 に選ばれたサイボウズ株式会社は、2005年に離職率28%(当時の社員の4人に1人が離職)と過去最高レベルに上昇してしまいました。
当時、様々な施策を行なったのにも関わらず状況は変わらず、、という時期があったそうです。

様々な議論を行なった結果、
100人いれば100通りの働き方があってよい」という方針に行きつきました。

この「多様なワークスタイルの実現」のために、

  1. 制度:評価や給与、在宅勤務、育児休暇、副業など
  2. ツール:コミュニティツール、セキュリティ、リアル/バーチャルオフィス、オンライン会議
  3. 風土:それぞれの働き方への理解と尊重、公明正大、議論を大事にする

という3要件を軸に社内制度や評価、福利厚生などを整備したところ
離職率が28%→ 4%前後に減少しました。

もちろんサイボウズ株式会社が行なった「ワークスタイル変革」は、「エンゲージメント」「定着率」「勤労意欲」を上げるための施策ではあります。
しかし、充実した、豪華な福利厚生よりかは
時代に合わせた、より働きやすい環境や制度を取り入れているかどうかが「どれだけ社員を大切にしてくれるのか」をはかるポイントになるでしょう

コロナ禍で変わりつつある福利厚生

新型コロナ感染防止の観点より、在宅勤務を取り入れる企業も増えています。
それにともない、福利厚生として在宅勤務を支援する制度を始めた企業も出てきています。

例:株式会社GameWith

株式会社GameWithは、在宅勤務を1ヶ月行なった後に社内でアンケートを実施した結果、在宅勤務支援制度として

  • リモートワーク手当で月5000円支給(在宅勤務に伴う光熱費や通信費などの補助)
  • 在宅勤務に必要なアイテムの現物支給(デスク・チェア・ジェルクッションなど)
  • Wi-Fiの貸し出し
  • モニターの自宅手配 などを取り入れたそうです。

社内アンケートにて、「生産性が下がった」と回答した理由で挙げられていた

  • デスクワーク環境の違い
  • それによる身体的苦痛 を解決するために支援制度が取り入れられたとのこと。

在宅勤務になると、社内とのコミュニケーションも減り帰属意識が下がることも予想されます。
在宅勤務支援の制度や福利厚生を準備・実施しているかどうかで「どれだけ社員を大切にしてくれるのか」が分かりますね。

企業選びに重要?福利厚生について考える,まとめ

福利厚生は社員のエンゲージメントや定着率を上げるために実施されていることが多いですが、
求職者目線で企業を選ぶ場合は
「充実した(数が多い、豪華な)」福利厚生なのか、
「社員を大切にしている」福利厚生なのか
を見極めることが大切です!

また時代や情勢の変化に適応して福利厚生も変化しているかどうかも、企業を見極めるポイントになります。

さて今回は【前編】ということで、少々カタい話になってしまいましたが、
次回【後編】は、ポップにベンチャー企業のおもしろ福利厚生についてまとめますので、お楽しみに!

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[出典]

この記事を書いた人
青森のいしかわ

青森県出身のエンジニア。2016年、大学卒業後に上京。
地元愛が強すぎて、何かと理由をつけて青森に帰省しようとする。
ついに2021年9月に地元青森にUターン!
お笑いを見るのが趣味で、特にゴイゴイスーが好き。

青森のいしかわのTwitterアカウント

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