【理系学生の就活とは!?】元理系大学院生が語る理系就活の実態と採用ノウハウ
みなさん、理系の就職活動と文系の就職活動には違いがあるのはご存知ですか?
私は、高校から大学院まで理系の道を進んできました。
しかし、就職活動を通じて人材業界に興味を持ち理系の道をやめて人材業界に飛び込んできました。その時の就職活動の時に感じた理系の就職活動と文系の就職活動には違いがあることがわかったのでお伝えしていきたいと思います。
理系大学生と文系大学生の就活の違いとは?
理系学生は、文系の学生より平均エントリー数が少ない
2021年4月14日にキャリアパーク!就職エージェントが発表した「就活における平均エントリー数は? 文理・業界別ES通過率で解説」
(https://careerpark-agent.jp/column/3458)
によると、
- 文系の就活生の平均エントリー数:12.6社
- 理系の就活生の平均エントリー数:7.5社
理系の就活生の平均エントリー数は、文系の就活生の平均エントリー数は約60%に止まっています。
このデータだけを見ると理系の就活生は、就職活動の活動力が少ないように感じるかもしれません。
しかし、理系には一般的な自由応以外にも学校推薦制度や教授推薦といった異なる選考方法があるからです。
実際、私が学生の頃も多くの学生が学校推薦制度を利用して就職解禁日以前にない内定を貰う人も少なくありませんでした。
学校推薦制度を利用した場合、内定が出ると内定が出た企業以外を受けることができないため、理系の自由応募の平均エントリー数が少なくなっていると考えられます。
学校推薦・教授推薦制度とは?
先ほど出てきた学校推薦・教授推薦について詳しく解説していきたいと思います。
- 学校推薦制度 学校推薦は企業から大学に対して寄せられる求人に、学生の推薦状を添えて応募するもの。 誰でも応募できるわけではなく、大学(学科、研究科、専攻)内での選考や選抜が行われるのが一般的。 学生側のメリットとしては、企業は内定を出すことを前提にしているため合格率が自由応募に比べて高いことや、大学内での推薦権を勝ち取ると一般の採用試験の一部が免除されている場合も多く、選考期間も短く早期に内定を獲得することができます。
デメリットは、学校推薦を利用して内定が出た場合その企業に必ず就職しなければいけないことです。学校推薦とは、企業と大学間の信頼のもと推薦の枠を用意するため大学側は内定が出た場合、必ず入社することを条件として学生の推薦を出しています。
- 教授推薦 こちらは、所属する研究室の教授のコネクションを利用して就職活動をする方法です。 教授推薦は、研究室に所属する学生の専門性や知識が相手企業の採用ターゲットであると同時に、過去の採用実績も豊富な場合は、学校推薦よりも合格率が高い傾向があります。
このような特別なルートを理系の就活生の場合は利用することができます。
就職活動の選択肢の一つとして学校推薦制度を利用することで、内定を獲得し自由応募が始まる前に
就職活動を終了するといったケースを多くあります。
文系より就職に使える時間が少ない
推薦制度があるという理由以外にも、理系の学生は研究を行ったり学会発表を行っているため就職活動に掛けられる時間が限られているケースもあります。
実際に私や周りの学生も研究の進捗や学会発表で発表する論文の作成に追われる日々を過ごしており、「気がついたら就活が始まっていた」や「自己分析ができていない」と就職活動に当てる時間が短かったように思います。
長期休暇の際に、2週間ほどのインターンシップに参加して、その参加した企業に学校推薦を使用して内定を獲得する人も多くいます。
このように、理系の学生は就職活動にあてられる時間が少ない傾向があるため企業研究も不十分なまま就職活動を行って進路を決めてしまうことがあります。
理系学生は大手志向になりがち!?
理系の学生と文系の学生を比べた時に、理系の学生の方が大手志向が多い傾向があります。
2020年7月1日にHR総研が発表した「2021年卒学生の就職意識調査結果報告」(https://hr-souken.jp/research/913/)
によると
- 文系の大手志向の割合:63%
- 理系の大手志向の割合:79%
理系の方が16%も大手志向の割合が高いことがわかりました。
理系と文系大手志向の割合
理系の方が高い理由としては、
- 学校推薦を使って大手に行きやすい
- 自分の専攻している分野がどう活きるか想像しやすい
- 技術職は安定していると思っている学生が多い
ことがあげられます。
研究室の先輩も学校推薦を利用して大手に行っているため、それを見た後輩も自分も学校推薦で大手に行こうと志す傾向があります。
理系の学生の学生の約66%の学生が学校推薦の利用を検討しています。
学校推薦を利用できる企業には大手企業が多く入っているため「学校推薦で大手に行けるなら大手に行こう」と考える学生もいます。
自分の専攻している分野がどう活きるか想像しやすいことについては、
大手企業は、どのような研究や開発をして世の中に価値を提供しているのかが容易に想像することができます。
ですので、学生は自分が学んだことを活かしたいという思いから大手企業を志望することもあります。
技術職は、安定していると思っている人が多い。
これは、私の周りでの話になるのですが、大手企業で自主退職のニュースが流れるたびに「あれは文系の事務職の人で理系の技術職は大丈夫」と思っている人が多くいました。
理系の専門性の高い技術は一生使えるものだと勘違いして大手に行けば理系技術職は安定してると考えている人は少なくありません。
このように理系の就活生と文系の就活生には、就職活動の方法から思考まで大きく異なっています。
理系学生は大手以外を目指していないのかその実態について
本当に理系は大手以外に興味はないのか?
ここまで理系の学生は文系の学生と比べて大手志向が多いということをお伝えしてきたのですが、
実際に理系の学生は大手企業だけを見ているのかをみていきましょう!
2021年4月5日に株式会社ネオキャリアが発表した「理系学生就活市場徹底調査」(https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/b-contents-newgrad-rikeigakuseichosa-190111/)
によると
- 大手のみ見ている学生 :18%
- 大手以外も見ている学生:77%
となっています。
大手志向の学生は79%というデータが出ていましたが、「大手しか興味ない。行かない」といった学生の割合は、全体の18%に止まっており、多くの学生は大手に興味があるがその他の規模感の企業も興味があれば行くといった傾向がありました。
ですので、理系の学生を採用したいがなかなか募集を集められないと困っている企業の方達も焦る必要はありません。
要は、理系の学生の多くは大手企業以外知らないのです。
- 学校推薦で大手企業に行きやすい。
- 研究室の先輩も大手に行っている。
- 自分の専攻する分野が活かせそう。
というイメージがあるため大手企業以外の企業を知ることなく、就活を終えてしまっているのです。
理系の学生に中小企業・ベンチャー企業のことをもっと知ってもらうことで大手志向の学生を引き込むことは可能になってきます。
理系学生を採用するために大切なポイント3選
ポイント1.自社の認知度を高める
説明会の1Dayインターンだけでなく実務を行えるインターンシップを行いましょう!
その企業で働いて自分が今まで学んだことをどのように活かせて世の中に価値を生み出していけるかがわかるかどうかは大切なポイントになってきます。
SNSなどで自社ではどのようなことをしているのか積極的に発信していき認知を高める方法も有効です。
まずは、学生に企業について知ってもらう気づいてもらうことが大切です。
ポイント2.研究を活かせる選考フローを考える
理系の学生の選考を行う際に面接でこれまで行ってきた研究や実験について聞くだけではなくプレゼン方式を採用することもポイントの1つです。
例えば、大手企業である川崎重工業では選考時にプレゼンを行い発表する場を設けられています。
川崎重工業選考体験記
実際に学生から研究についてのプレゼンを聞きどのように会社で活かせるかを伝えてあげることも理系学生を採用する上で重要です。
ポイント3.ダイレクトリクルーティングを利用する
近年、ダイレクトリクルーティングを利用して就職活動を行う学生が増えている傾向があります。
実際にコロナの影響によってこの1年間で理系、文系の学生を問わず利用者が急増しています。
ダイレクトリクルーティングで学生と直接接点を持ちアプローチをすることも理系学生を採用する上で重要なポイントです。
数多くある企業の中から、大手志望の多い理系就活生を採用するには1番適した手法だと思っています。
学生に接点を持つ際には、
- どのような事業をしているのか
- その企業が誇る数値的データ (例)業界シェアNo.1など
- なぜアプローチしようと思ったか
これらを具体的に明記することが大切です。
ダイレクトリクルーティングを利用して採用する場合、自社はどのような違いが競合他社と比べた際にあってどんなことができるのかを伝えてあげるとエントリーに繋げることができます。
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会社でどのようなことをしているのか、
会社の雰囲気など
学生に理解してもらいやすいのも1つの特徴になります。
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