商社とは?人気の理由や向いている人の特徴を解説!総合商社と専門商社の違いも
これから就活が本格化してくるであろう学生の皆さん。
就活で商社という言葉をよく耳にしませんか?
私が就活生だったときは私の周りで
「商社に行きたい」
「大手の商社は競争が激しい」
「三菱商事、伊能忠商事・・」
というような会話を友人達がよく話していて、商社ってなんだろう・・と心の中で思いながら分かっている風で相づちをうっていました(笑)
就活生にとって商社は
- 商社は就活生に人気で敷居が高い
- 高学歴の学生が目指す就職先
- なんとなく大手なイメージ
- 競争が激しい
など、「とりあえずすごい!」みたいなイメージがあるかと思います。
しかし、実際どんな会社のことを商社というのか、何がすごいのかよくわからない人は多いのではないでしょうか。
ふわっとしたイメージだけで就職してしまうと就活した後に「思ってたのと違う!」となってしまう可能性があります。
また、商社が何かわかっていたとしても大手のイメージが強く、ベンチャーのイメージがあまりないという人もいるかと思います。
そこで今回は
- 商社とは具体的にどのような会社なのか
- 商社はなぜ就活生に人気なのか
- 大手だけじゃない!ベンチャーの商社
をわかりやすく解説していこうと思います!
就活生に人気の商社とは
商社を一言で表すなら「なんでも仲介業者」です。
というのもメーカーや販売業者などの間に入り、貿易・物流・金融・情報・事業投資など多岐にわたる業務を請け負う会社だからです。
具体的には、
- 国際的に物資を流通させる貿易
- 商品の原材料の調達や流通
- 商品流通のための物流サービスの提案や管理
- 販売戦略の考案や広告の企画立案などのマーケティング
- 資金調達や保証など金融関係の管理
- 商社ならではの情報を利用した新規事業への投資
などのさまざまな業務を行っています。
商品の開発から販売までの大部分の業務を請け負うこともあるため、商社での仕事は激務だと言われがちです。
商社には2つの種類がある
商社は2種類に分けることができます。
様々な分野の商材を取り扱う「総合商社」と、扱う分野を限定している「専門商社」です。
総合商社
総合商社は様々な分野の商材を取り扱う商社で、そのすべてが大手企業です。
一般的に就活生に大人気の商社といえば総合商社になるでしょう。
現在、総合商社と呼ばれる会社はたったの7社
・三菱商事
・三井物産
・伊藤忠商事
・丸紅
・住友商事
・豊田通商
・双日
のみです。
これらは7大商社と呼ばれています。
5大商社と呼ばれる場合は、このうち上に書いてある5つです。
たったの7社しかないのは、それほどまでに大変だからです。
先ほど述べたように、商社は事業内容が多岐にわたります。
一つの商材でも仕事が山ほどあるのに、「カップラーメンからロケットまで」と言われる総合商社として様々な分野を扱うのというのは、限られた大手企業にしかできない所業なんです!
専門商社
専門商社は扱う分野を限定し専門化している商社のことで、先ほども述べた通り7大商社以外の商社はこの専門商社になります。
専門商社は大手企業から中小企業、さらにはベンチャー企業など企業規模はさまざまです。
中には、7大商社系列の商社も数多く存在します。
(例)三菱食品、丸紅メタル、伊藤忠メタルズ、双日食料など
ちなみに、海外では総合商社はなく専門商社しかないので、国際的には専門商社が一般的です。
専門商社の強みは、扱う分野が専門的なものになるため、知識やノウハウが蓄積されやすいところにあります。
近年、総合商社は事業投資などに力を入れている部分がありますが、専門商社は流通業や金融業が業務の中心となっています。
商社で働くメリット・人気の理由
ここでは、商社で働くメリット・人気の理由について詳しく解説します。
年収が高い
商社は業績に連動した賞与や手厚い福利厚生が整っており、総合職を中心に民間平均より高い年収帯で推移する傾向があります。
実際に、2025年10月6日に公表されたダイヤモンド社の調査によると、「年収が高い商社・卸売企業ランキング2024」の1位~5位を総合商社が独占しています。
出典:ダイヤモンド社「年収が高い商社・卸売企業ランキング2024【201社完全版】伊藤忠や丸紅は何位?
商社は、若手でも案件の成果が評価されやすく、昇給やインセンティブにつながります。特に大手では人材育成や住宅支援などの制度も充実しており、長期的に成長できる環境が整っているのです。
海外での経験を積むことができる
商社は海外の顧客や仕入先、子会社や出資先と日常的に取引するため、英語などを使う会議や交渉、現地調査の機会が多い傾向にあります。
職種や事業領域によっては、現地法人や支店への駐在、数週間から数か月の出張や出向を経験することもあります。全員が必ず海外勤務になるわけではありませんが、語学力や専門性、健康面や安全面の要件を満たせばチャンスは広がるでしょう。
赴任前には家族帯同の可否や住環境、危機管理の体制を確認し、会社と希望や制約をすり合わせておきましょう。
安定しており将来性が見込める
安定しており将来性が見込める点も、商社で働くメリットです。
商社は、幅広い事業を組み合わせて収益源を分散しています。そのため、市況が悪化した分野があっても、他の事業で吸収できる体制を整えやすいです。
長期契約や在庫・為替の管理に強みがあり、景気変動への耐性も相対的に高いでしょう。
さらに、脱炭素や再生可能エネルギー、デジタル、ヘルスケアなど成長分野への投資を継続し、事業の入れ替えを機動的に進めています。物流や調達、リスク管理といった基盤能力はどの産業でも需要があるため、将来性を支える土台になるのです。
ネームバリューがある
大手商社はネームバリューがあるため、初対面の商談でも話が進めやすくなります。海外でも知名度が高く、パートナー開拓や提携交渉で有利に働くことがあります。
また、履歴書映えもするため、転職をする際にも選考先の企業からの印象が良くなります。さらに、プライベートでも賃貸契約や住宅ローン、クレジットカードの審査がスムーズになりやすいという側面があります。
ただし、会社のネームバリューに頼り過ぎず、自身のスキルを磨く意識が大切です。
商社で働くデメリット・注意点
商社への入社を目指すか考える際には、デメリットや注意点も理解しておく必要があります。4つのデメリット・注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
海外とのやり取りで早朝・深夜対応が発生する
商社は時差のある相手国と会議や交渉を行うため、日本の早朝や深夜にオンライン対応が入ることがあります。急なトラブルで予定が崩れることもあり、生活リズムに負荷がかかりやすいです。
対策として、会社によっては事前にアジェンダを共有するなどの工夫で会議時間を短縮したり、担当者を週替わりでローテーションしたりするところもあります。
そうとは言え、体調管理や家族との調整が欠かせない点は理解しておきましょう。
出張・転勤が多い傾向にある
商社では、顧客訪問や現地調査、立ち上げ対応で国内外の出張が続く時期があります。部門によっては国内転勤や海外駐在の可能性もあり、住まいや家族の計画に影響します。
現場で得られる学びは大きい一方、移動が重なると体力を消耗しやすいので、出張規程や振替休暇、在宅併用の可否を早めに確認しましょう。
社宅や住宅補助、帯同家族向けの支援制度の有無も把握し、希望や制約を上司と共有して納得感のある働き方を目指すと良いです。
取引先と社内の板挟みになりやすい
商社で働く際の注意点として、価格や納期・品質をめぐり、取引先の要望と社内の採算・リスク基準がぶつかる場面が多いです。
どちらかに寄り過ぎると信頼を損なうため、事実と数字で条件を整理し、代替案を提示して合意点を探りましょう。
入社後は、技術部門や法務を早めに巻き込み、役割分担を明確にすると板挟みによる負担を軽減しやすいです。交渉前には、譲れる点と譲れない点を一覧化しておくと判断がぶれません。
また、学生時代にサークルやゼミでの調整を経験していると、商社への入社後に活かせるでしょう。
売上・利益の数字プレッシャーが強い
商社は案件の規模が大きく、四半期ごとの売上や粗利の目標達成が厳密に求められます。
売上・利益の数字プレッシャーが強く、ストレスに感じる人も少なくありません。為替や市況の変動で収益が揺れやすいため、短期と中長期の両面で管理が必要です。
そのため、ストレスに対する耐性があまりない人は、商社への適性がない恐れがあります。商社への入社志望度が高い人は、学生時代から数字目標を立てて達成する経験を積んでおくことをおすすめします。
商社に向いている就活生の特徴
商社は、向き不向きがはっきりしている就職先の1つです。ここでは、商社に向いている就活生の特徴を紹介します。
コミュニケーション能力が高い
商社では、社内外の立場や利害が異なる相手と仕事を進めることになります。相手の意図を丁寧に聴き取り、条件や懸念を整理して言い換え、合意点を見つける力が重要です。
そのため、コミュニケーション能力が高い学生であれば、商社に向いているでしょう。
選考では、ゼミやサークルでの調整経験を、最終的な成果や学びまで含めた具体例として語れると評価につながります。
現時点でコミュニケーション能力にあまり自信がない人は、書籍や動画で学び、サークルやアルバイトなどで積極的に実践すると良いでしょう。
語学のスキルがある
商社では海外の顧客や仕入先とやり取りする場面が多いため、英語を中心に読み書きと会話の基礎体力があると強みになります。
完璧な発音よりも、簡潔で誤解の少ない表現で要点を伝え、合意事項をメールや議事録に落とす力が実務では重視され、業務メールの作成や会議での自己紹介、目的と結論の説明が自力でできると安心でしょう。
TOEICなどの勉強に励むほか、ニュースの要約や英語の議事録テンプレを作るなど、日常的に英語学習に取り組むと良いです。
体力・ストレス耐性がある
商社の仕事は、出張や移動、時差会議、期末対応が重なると一気に忙しくなり、終わると落ち着くという波があります。短期間で集中して働く局面もあるため、睡眠と食事を整え、優先度の切り替えができる人は力を発揮しやすいでしょう。
一方で、体力やストレス耐性に不安がある人は、商社からの内定を貰うのが難しかったり、入社後に苦労したりする恐れがあります。
学生のうちは、締切のある活動を複数並行で回し、負荷が高い時ほどチームで役割を分ける練習をしておくと入社後に活かせます。
大手だけじゃない!ベンチャーの商社
先ほども少しお話ししましたが、専門商社の中には大手企業のイメージがあるかもしれませんが、大手企業だけではなくベンチャー企業にも存在します!
ベンチャー商社は常に新しいことに挑戦し、常識にとらわれない会社で働きたい方におすすめです。
ここで
「ベンチャー企業って何?」
「大手企業しか考えてないからベンチャーとかどうでもいい」
と思った方、もし、いたら先にこちらの記事をご覧ください。
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ベンチャー企業とは?特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説
ここからは、ベンチャー・成長企業に特化した就活サイト「チアキャリア」が厳選したベンチャー商社を紹介しようと思います。
おすすめのベンチャー商社①:株式会社NEXTONE
創業14年の株式会社NEXTONEは、
- 資本金9000万(自己資本比率100%)
- 売上高17億
- 社員数100名
で、電力小売事業、情報通信事業、WEBマーケティング事業を行っており、営業代行をメインに事業を展開している商社です。
おすすめポイント
①新卒人事、支店立ち上げ、新プロジェクトメンバーなど新しいことをはじめるときは公募でメンバーを平等に募集するという、手を挙げた人にチャンスが回ってくる社風
②仕事の結果次第で、
- 初任60万円/月
- 賞与実績200万円×年2回
- 入社1年目 で主任へ昇進
などの実績があり、経験や年齢関係なく成果を報酬として反映してもらえる
③研修制度や独立支援などのキャリア支援制度が充実していて、すぐに経験を積んで成長したい人をサポートしてもらえる
おすすめのベンチャー商社②:株式会社トロワ
2011年創業の株式会社トロワは
- 資本金5000万
- 売上高40億(2021年度実績)
- 社員数150名
で、主に通信商材とライフライン商材の代理店営業を行っている商社です。
おすすめポイント
①売上が2017年から2021年の5年間で売上が2.5倍の急成長を遂げた急成長中のベンチャー企業。
②職場は明るく活気のある環境で、意見交換を大切にしており、些細なことでもいつでも相談し合える社風。
③社員の平均年齢は28歳と若い。年齢や社歴に関係なく年に4回の昇給チャンスがあり、自分自身の成果がすぐに給料や役職に反映される。
おすすめのベンチャー商社③:スターティア株式会社
企業に対してIT・DX化を実現するワンストップなサービスを展開する総合商社で、企業に対するオフィスのトータルサポートをお任せする提案営業職です。
営業現場にある程度の決定権があり経営層を相手にした提案を行ったりするため、成長して自分の市場価値を上げたいという方におすすめです!
- 売上高 200億(2023年3月期実績・連結)
- 資本金 90,000千円
- 社員数 470名(2023年3月末時点)
おすすめポイント
①スターティアホールディングスグループ が2014年2月 に東証一部上場(現:東証プライム上場)
②東京本社だけでなく全国に会社を展開。ホールディングス制による強固な財政基盤やビジネスモデルによる安定感とを画一し、ベンチャー企業=不安定の概念を覆しています。
おすすめのベンチャー商社④:株式会社テレコム
事故を減らし命を守り、物流インフラの効率化を支える通信機器専門商社。1981年に創業し今期で41周年を迎えています。
10年以上のお取引のお客様が全体の半数以上を占めており、創業当初から40年のお付き合いのお客様も多数いるようです。
- 売上高 非公開
- 資本金 3,500万円
- 社員数 143名
おすすめポイント
①充実な教育制度
テレコムでは定量的・定性的な4つの評価項目からなる明確な評価制度を取り入れ、若手のスキルUP・教育を重視しています。
新卒で入っても手厚いサポートで教育が充実している点が特徴です。
②お客様との深く永い関係
先ほどもお伝えした通り、テレコムは創立41周年の老舗企業です。そのため、お客様との関係値もとても大切にしています。
営業して売ったら終わりではなく、その後のフォローも大切にしお客様の悩みを解決する課題解決型の営業を行っています。
おすすめのベンチャー商社⑤:株式会社FBマネジメント
「成長意欲のある地方企業の経営を進化させる」をミッションに、全国の優良中小・中堅・老舗企業の総合的な経営支援を行うコンサルティング会社です。
- 売上高 非公開
- 社員数 80名
おすすめポイント
①グループ会社20社の事業責任者になる未来も
株式会社FBマネジメント2030年までにグループ会社20社・従業員1000人規模の会社を目指しています。そのためこれから新卒で入る就活生の方たちは将来事業責任者を任される可能性があります。
若いうちに責任者となるというのは、将来的に企業したい人にはとても良い経験になるでしょう。
②安定した実績
年間3,000社の経営相談を頂いており、日々進化をしつつも安定した基盤を構築しています。
そのため、ベンチャー=不安定の部分を払拭している点が特徴であると言えるでしょう。
まとめ|就活生に人気の商社とは何か理解しよう!
いかかでしたか?
商社がどういうものかや人気の理由がわかりましたか?
総合商社はかなり選考が厳しいものになっているので、挑戦したい就活生は覚悟が必要ですね!
大手の商社だけではなく、ベンチャーの商社もあるので、記事を読んで商社に興味が出た就活生は、CheerCarrerでベンチャー商社などの専門商社も視野に入れて就活をしてみるのもいいと思います!