こんにちは。
私は経理部の岩茂です。
本日は私の尊敬する上司、氏家大樹について紹介します。


私が入社したての当時、彼はその名に恥じぬよう私の眼前にそびえ立っていた。

『おい茂、お前はここで何をしたいんだ？』

彼の柔らかな頬からは想像もつかぬほど言葉は鋭く、私の安易な考えはたちまちに焼き尽くされた。

『おい茂、俺を見ろ。お前の目には何が映っている？....答えろよ。』

『....私には、青が見えます。あの空よりも透き通った青が。』

彼は少し微笑んで鼻をすすり、奥に消えていった。
私は目を伏せて笑っていた。

それからのことはよく覚えていない。
流れるように過る毎日。
自身の成長を憂う毎日。

何故あの時、彼に色がついて見えたのか。
何故あの時、彼は微笑んだのか。
私は笑っていた。
父を失ってから無に覆われていた私が、涙と共に笑っていたのだ。

ーおい茂、お前はここで何をしたいんだ？

ビル群に覆われた東京の空は、波紋を帯びた海の様に青かった。


この様にして私は大樹に出会い、人生をより豊かにすることができました。
彼の重厚な様相で、温かな微笑みで、私は空の青さを知ることができました。

環境は確かに人を変えますが、その環境を定義付けているのは自分自身に他ならないのです。
人に説かれたとしてもその概念は容易には変わらず、己の気づきによってのみ環境は変わっていくと私は思います。

Limeという雄大な森林に聳え立つ大樹。
人々は彼のせいで空が見えないと嘆く。
彼に色が無ければ、空は青く映らないというのに。

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